離婚問題・交通事故・企業法務(顧問契約等)に強い、札幌とくみつ法律事務所


解決事例

離婚調停でスムーズに離婚が成立し、解決金も得られたケース


相談者が弁護士に相談したのは、相談者の夫が家を出る形で別居が始まって約2年が過ぎた頃でした。

相談者の夫は家庭を顧みずに女性関係を持ち、相談者に暴力を振るうなどしていましたが、ついには自宅に帰らなくなりました。

夫婦間に子どもはいませんでしたが、相談者は派遣社員であり、今後の生活に経済的な不安を大きく抱えていました。

他方で、相談者としては、早く離婚を成立させて夫との縁を切りたいという想いも強く、財産分与などについて厳密な請求ができなくとも構わないという意向でした。

※守秘義務の関係上、適宜実際の事例を修正しております。


解決の流れ

相談者と協議の上、離婚調停を申し立てることとしました。

離婚調停では、離婚の成立のほか、慰謝料及び扶養的財産分与として合計350万円の支払い、さらには、年金分割の合意を夫側に求めました。

慰謝料及び扶養的財産分与が支払われるのであれば、清算的財産分与については請求しないという方針で、調停手続きの中で交渉を行いました。

清算的財産分与については、それぞれの特有財産などの問題があり、計算が複雑になる点などを考慮し、このような方針としました。

調停で交渉を続けた結果、350万円の解決金が一括で支払われる形で離婚調停が成立しました。年金分割についても合意が成立しました。

交渉はスムーズに進み、調停条項に関する若干のすり合わせがありましたが、3回目の調停期日で無事に離婚が成立しました。

 

弁護士のコメント

財産分与というと、夫婦が共同して形成した財産を分ける清算的財産分与を指すことが通常ですが、相手方に対する扶養的な意味合いを持つ扶養的財産分与というものも存在します。

扶養的財産分与は、清算的財産分与の場合とは異なり、原則的に発生するものではありませんが、事案に応じて請求を検討します。

本件では、清算的財産分与については請求しませんでしたが、慰謝料及び扶養的財産分与という請求項目で交渉を行った結果、解決金という形で経済的利益を得ることができ、かつ、スムーズに離婚も成立した事案でした。