自然災害被災者債務整理ガイドラインという方法があります
平成30年北海道胆振東部地震の被害に遭われた皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復旧と、被害に遭われた皆様の健康を心よりお祈り申し上げます。
当事務所は、北海道の法律事務所として、被害に遭われた皆様を少しでもサポートできればと考えております。
そこで、情報提供として、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」と言います。)という制度を簡単に紹介させて頂きます。
今回の震災により、住宅ローンや事業性ローンなどを返済できない状況に陥ってしまった被災者の方々がいらっしゃることと思います。
そのような場合に、ガイドラインという特別な制度を用いて債務整理をすることのできる可能性があります。
様々なメリットのある自然災害被災者債務整理ガイドライン
返済困難なローン等を整理する債務整理の方法として、ガイドラインを用いることは、新たな融資を受けたり、自己破産をするよりもメリットのある可能性が高いです。
まず、自己破産をするよりも、手元にたくさんの現金や支援金を残せる可能性が高くなります。
次に、通常の債務整理の方法であれば、いわゆるブラックリストと呼ばれる信用情報機関に載ることとなりますが、ガイドラインを用いればブラックリストに載ることを回避できます。
さらに、ガイドラインを用いれば、原則として保証人への請求も回避することができます。
以上のメリットが考えられることから、震災によりローン等の返済が困難になった場合、ガイドラインを用いて債務整理を行うことを是非ご検討頂きたいと思います。
手続きの流れ〜登録支援専門家の支援を受けながら手続きを進める〜
ガイドラインの手続きを希望される場合、まず、最も多額のローンを借りている金融機関などへ、ガイドラインの手続きへの着手を希望することを申し出ます。
金融機関等の同意が得られた後、その金融機関等から弁護士会などを通じて、弁護士等の「登録支援専門家」が選任されます。
この登録支援専門家の支援を受けながら金融機関等と協議を行い、合意内容がまとまれば、簡易裁判所での特定調停という手続きで合意を完了させるという流れになります。
この「登録支援専門家」は、弁護士の場合、弁護士会を通じて弁護士が選任されますので、ご本人が特定の弁護士を選ぶことはできませんが、登録支援専門家の費用は国が負担してくれるという大きなメリットがあります。
以上、簡単ではありますが、震災に遭い、ローンの返済に頭を悩ませる皆様にとって、少しでも有益な情報になればと思い、情報提供をさせて頂きました。
当事務所の弁護士徳満も、札幌弁護士会を通じて開催される被災地での無料法律相談会や、電話相談を随時担当し、被災者の皆様へ微力ながらリーガルサービスを提供させて頂く所存です。
末筆となりますが、被災地の一日も早い復旧を重ねて心よりお祈り申し上げます。