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法律コラム

交通事故の過失割合はどのように決まる?

2016年10月28日

交通事故の過失割合はどのように決まる?

交通事故の被害に遭ったとき、しばしば争点となるのが過失割合です。

自分の運転にはどこにも過失なんて無かったと思っていたところ、相手の保険会社から一定の過失を主張されてしまい、とても納得いかないというご相談はよくあるケースです。

それでは、交通事故での過失割合はどのようにして決まるのでしょうか。 この記事では、裁判所や弁護士、保険会社がどのようにして過失割合について判断するのかにつき、ご説明します。

 

過失割合を決める基準となる本

過失割合を決める上で、「別冊判例タイムズ38 全訂5版」(以下、「別冊判例タイムズ」といいます。)という本が基準となります。なお、2016年現在で5版なので、今後も改版される可能性があります。

この本は東京地方裁判所の裁判官が議論を重ねて作成されたものであり、裁判所や弁護士、保険会社が過失割合を判断する上で基準とするものになっています。

内容としては、様々な事故の類型を列挙し、各事故類型における基本的な過失割合が記載されています。

そこで、交通事故での過失割合を決める上で、当該交通事故が別冊判例タイムズ上のどの事故類型に当てはまるかを検討することが出発点となります。

 

過失割合を決める上での修正要素

別冊判例タイムズ上のいずれかの事故類型に該当するとしても、そこに掲載されている基本割合が、そのまま過失割合として認定されるとは限りません。

別冊判例タイムズには、基本割合だけでなく、修正要素も記載されています。

したがって、例えば、速度違反や合図なし、夜間、その他の著しい過失などの各事情により、基本割合が修正される可能性があるのです。

また、そもそも判例タイムズ記載の事故類型にそのまま当てはまらないというケースもあるので、その場合は、基本割合をそのまま当てはめるのも妥当でない可能性があります。

以上のとおり、交通事故での過失割合を決めるにあたっては、基準となるものがありますが、実際に発生する交通事故の個別事情は様々です。

自分自身で過失割合を判断するのは難しく、リスクを伴いますので、一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。