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法律コラム

交通事故で支払われる慰謝料には3つの基準がある?

2016年05月30日

慰謝料等についての3つの基準

交通事故の被害に遭った場合、通常、加害者側の保険会社との間で示談についての話し合いを行うことになります。

示談の話し合いにおいて、しばしば問題となるのが慰謝料です。

慰謝料とは、精神的損害に対する賠償です。

交通事故の被害に遭った方にとっては、最もしっかりと賠償してもらいたい部分かもしれません。

ところが、精神的損害は目に見えるものではないため、どのように算定すればいいのかが問題となります。

この慰謝料の算定に関して、以下、3つの基準というものをご説明いたします。

 

 自賠責基準

自賠責保険は、原付やバイクを含め全ての自動車に加入が義務付けられている自動車保険です。

自賠責保険の基準によって算出される金額は、通常、3つの基準のうち最も低い金額となります。

なお、自賠責保険による賠償は人身損害に対してのみであり、修理費用などの物的損害に対しては自賠責保険の適用はありません。

 

 任意保険基準

任意保険は、自賠責保険で賄いきれない部分を補うための自動車保険であり、任意保険の加入率は約73%といわれています。

自賠責保険を補うための保険ですが、通常、任意保険会社が一括して被害者対応を行うことになります。

任意保険基準は、任意保険会社の基準によって提示される金額であり、自賠責保険基準を上回ることが多いですが、裁判基準よりも低くなるのが通常です。

 

 裁判基準

裁判基準とは、訴訟(裁判)によって通常認められる金額をいい、赤い本(民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準)と呼ばれる書籍などを用いて算定します。

裁判基準は3つの基準の中で最も高額となるのが通常です。

弁護士が被害者の代理人となる場合、示談交渉や訴訟などの手段を用いて、裁判基準による賠償金額の獲得を目指します。

 

以上のように、慰謝料という一つの損害費目をとってみても、対応や解決方法によって賠償金額は大きく異なってくることになります。

示談金額などについて悩んでおられる方は、ぜひ当事務所まで一度ご相談ください。