離婚問題・交通事故・企業法務(顧問契約等)に強い、札幌とくみつ法律事務所


法律コラム

何年も昔の借金は業者へ連絡する前に消滅時効を要確認!

2021年09月09日

借金の時効は5年が基本

カードローンやクレジットカードの支払いを滞納してしまい、そのまま何年も放置状態になっているということは無いでしょうか。

貸金業者からも連絡が来なくなったと思っていたところ、何年も経った後に債権回収業者などから手紙が届くということがあります。

このような場合、何年も滞納していたことに対する多額の遅延損害金が加算されて請求されていることが多いため、膨れ上がった金額に驚くでしょう。

何年も昔の借金について、絶対に支払わなければならないのでしょうか?

いいえ、時効による消滅を主張できる可能性があるのです。

特に、最後に返済をした時から5年を経過している場合、時効を主張できる可能性が高いといえますので、注意する必要があります。

もっとも、例えば、改正民法が施行された2020年4月よりも前に、業者からではなく個人から借り入れていた借金の場合には、5年ではなく10年の消滅時効期間が適用される可能性があるなど、別の判断基準が適用される場合もあります。

したがって、最終返済日から5年を経過しているかどうかだけで全て判別できるわけではありませんが、これが消滅時効に関する一つの指標にはなります。

 

5年経っているのに時効を争われる?「時効の更新」とは

借金が時効で消滅している可能性が高い場合、注意しなければならないことがあります。

それは、督促の手紙を送ってきた債権回収業者などへ安易に連絡をしたり、返済をしたりしないことです。

なぜならば、これらの行為が時効の更新にあたるとして、債権者側から消滅時効の成立を争われる事態になりかねないからです。

「時効の更新」とは、平たく言えば、時効期間がリセットされてしまうことです。

つまり、「時効の更新」に該当すると、すでに何年も経過していた時効期間が0にリセットされてしまうのです。

したがって、安易に業者へ連絡をしたり、返済をしたりする前に、まずは債務整理に詳しい弁護士へ相談することを強くお勧めします。

業者側に対して時効を主張することを「時効の援用」と言いますが、自分自身で対応することには大きな不安を感じる方が多いと思われますので、そのような場合にはまずは弁護士へご相談ください。

 

要注意!消滅時効の援用は債務整理の方法の一つに過ぎない

これまで時効に関する話をしてきましたが、時効のことだけを考えれば良いというわけでは全くありません。

例えば、1社のカードローンについては時効による消滅を主張できるものの、他にも多額の借り入れがある場合、当然のことながら、他の借り入れのことも含めた全体としての債務整理を考えなければなりません。

また、時効だろうと考えていたところ、実は時効が完成していないことが判明した場合、他の方法による債務整理を考えなければなりません。

例えば、滞納していた借金について実は業者から訴訟を起こされていて、その判決が確定している場合、前述の「時効の更新」に該当し、時効が完成していないということがあります。

以上のとおり、ただ単に時効のことだけを考えれば良いのではなく、いくつかの債務整理の方法を念頭に置いた上で、最善の選択を検討しなければなりません。

当事務所では、消滅時効の援用手続きを対応させて頂けるのはもちろんのこと、任意整理・自己破産・個人再生という全ての債務整理の方法を踏まえた上で、弁護士が相談に乗らせて頂きます。

まずはお気軽に当事務所までお問い合わせの上、ご相談ください。