暴行・傷害事件を起こしてしまったら
暴行・傷害事件を起こしてしまった場合、あるいは、家族や友人が暴行・傷害事件を起こしてしまった場合、どのようにその後対応すればよいのか、何も分からずパニックになるかもしれません。 何があっても暴力は許されることではありませんから、深く本人が反省すべきなのは当然のことですが、その後刑事手続などはどのように進むのでしょうか。弁護士の行う対応も踏まえ、ご説明したいと思います。
暴行・傷害事件の特徴
暴行罪については、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留(1日以上30日未満の刑事施設への拘置)若しくは科料(千円以上1万円未満)に処するという法定刑が定められており(刑法208条)、傷害罪については、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するという法定刑が定められております(刑法204条)。
暴力によって他人が生理機能に障害を負った場合には傷害罪となり、生理機能を損なわなかった場合には暴行罪となります。
生理機能の障害とは、平たく言うと怪我を負ったことなどですが、怪我だけでなく、病気の罹患なども含みます。
初犯の場合、罰金処分になることが多い印象ですが、特に傷害事件の場合、逮捕され、長期間の勾留が続くことも珍しくありません。
また、前科の有無や傷害結果の重大性などに応じ、公判請求がなされて刑事裁判が開かれ、懲役刑が求刑されることもあります。
他方、被害弁償や被害者との示談などの点が考慮され、早期釈放、不起訴処分となることもあります。
暴行・傷害事件への対応
例えば、家族が暴行・傷害事件を起こして逮捕されてしまった場合、今後の対応を考えるため、まずは本人に話を聞く必要があります。
ところが、逮捕期間(最大72時間)は、家族であっても、本人との面会を行うことはできません。
逮捕後、勾留手続きに移行した後は、家族も本人との面会を行うことはできますが、最大72時間の逮捕段階は、弁護士でなければ本人に会うことができないのです。
そこで、本人の言い分や、緊急に対応しなければならないことなどを確認するため、弁護人に依頼し、早急に本人に会いに行ってもらうことが望ましい対応と言えるでしょう。
本人の言い分を聞き、被疑事実に間違い無いということであれば、被害弁償や示談交渉を検討することになります。
この点は、前述のとおり、処分結果や釈放時期に大きな影響を与えます。
被害弁償や示談交渉については、被害者と連絡を取って行う必要がありますが、通常、加害者本人やその家族が行うことは困難ですので、弁護士に対応を依頼することになります。
また、処分結果には大きく影響しない可能性もありますが、被害弁償や示談交渉のほか、本人の反省や更生も当然ながら重要です。この点については、家族の監督など、周りの支えも必要となることが多いです。
以上の対応について、特に逮捕勾留されているケースではできる限り速やかに対応を開始する必要がありますが、在宅事件となった場合も、刑事処分が下されるまでの間に対応する必要がありますので、余裕をもって対応を開始すべきでしょう。
なお、逮捕勾留期間は最大合計23日間ですが、公判請求されて刑事裁判が開かれることとなった場合は、引き続き勾留が続くことになります。
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