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交通事故の法律コラム

交通事故に遭ったらどんなことを賠償してもらえる?

2016年06月28日

交通事故に遭ったらどんなことを賠償してもらえる?

交通事故に遭った時、被害者は何について賠償してもらえるのでしょうか。

裁判実務上、賠償の対象となる損害は項目ごとに分類されています。

以下、損害項目の概要を簡単にご説明します。

・積極損害

積極損害とは、保有していた財産が減少したという内容の損害をいいます。

治療費や通院のための交通費、入院中の雑費、付添看護費、介護費など、交通事故によって負担することになったこれらの費用が積極損害に当たります。死亡事故の場合、葬儀関係費用なども積極損害として発生します。

これらの積極損害については、領収書などの客観的資料が残りますので、領収書などを捨てずに整理しておくことが重要です。

入院に伴って発生する日常品等の雑費については、実務上、入院1日あたり1500円程度に定額化されています。

 

・消極損害

消極損害とは、交通事故が無ければ、得られたはずの利益を失ったという内容の損害をいいます。

1 休業損害

休業損害とは、交通事故によって負った傷病の治療または療養のために、被害者が休業することとなり、これによって生じた収入減のことをいいます。

事故前の収入を基礎として、休業したことによる現実の収入減を算定します。なお、現実の収入がなくとも、治療のために有給休暇を使用した場合は、休業損害として認められます。

休業損害が認められる期間は、原則として症状固定日までです。症状固定した後も、後遺障害によって収入減が生じる場合は、以下の後遺障害逸失利益という損害項目で考慮されることになります。

2 後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、症状固定後も残存する後遺障害のために労働能力が喪失し、生じた逸失利益のことをいいます。

後遺障害の有無については、損害保険料算出機構における等級認定が大きな指標とされます。認定された後遺障害等級に基づき、後遺障害逸失利益が算定されるのが通常です。

もっとも、後遺障害の等級認定がなされたものの、収入減が生じない場合など、等級については争いが無いものの、後遺障害逸失利益の金額について争いが生じるケースは多々あります。

3 死亡による逸失利益

死亡事故において認められ得る損害であり、生存していれば得られはずの収入のことをいいます。

後遺障害逸失利益との違いは、死亡による逸失利益の算定においては、生活費の控除を行う点です。死亡した場合、生活費の支出は発生しないため、この点について調整を行うのです。

・慰謝料

慰謝料とは、怪我や死亡によって被った精神的損害のことをいいます。

慰謝料には、傷害慰謝料(入通院慰謝料)、死亡慰謝料、後遺障害慰謝料があります。

いずれもある程度定型化された算定表や算定式が存在するため、原則として、これに則って算定がなされます。

・物的損害

以上は、すべて人的損害に関する説明でしたが、交通事故の場面では、当然ながら物について損害が生じることもあります。

物的損害は、主に車の修理費ですが、代車費用や評価損が認められる場合もあります。

修理費は、必ずしも実際に発生した修理費全額が認められるというわけではありません。修理費が、車の時価に買い替えのための諸費用を加えた金額を上回る場合は、時価額と買い替え諸費用の合計額が損害となり、修理費全額は損害として認められません。これを経済的全損といいます。

 


交通事故で支払われる慰謝料には3つの基準がある?

2016年05月30日

慰謝料等についての3つの基準

交通事故の被害に遭った場合、通常、加害者側の保険会社との間で示談についての話し合いを行うことになります。

示談の話し合いにおいて、しばしば問題となるのが慰謝料です。

慰謝料とは、精神的損害に対する賠償です。

交通事故の被害に遭った方にとっては、最もしっかりと賠償してもらいたい部分かもしれません。

ところが、精神的損害は目に見えるものではないため、どのように算定すればいいのかが問題となります。

この慰謝料の算定に関して、以下、3つの基準というものをご説明いたします。

 

 自賠責基準

自賠責保険は、原付やバイクを含め全ての自動車に加入が義務付けられている自動車保険です。

自賠責保険の基準によって算出される金額は、通常、3つの基準のうち最も低い金額となります。

なお、自賠責保険による賠償は人身損害に対してのみであり、修理費用などの物的損害に対しては自賠責保険の適用はありません。

 

 任意保険基準

任意保険は、自賠責保険で賄いきれない部分を補うための自動車保険であり、任意保険の加入率は約73%といわれています。

自賠責保険を補うための保険ですが、通常、任意保険会社が一括して被害者対応を行うことになります。

任意保険基準は、任意保険会社の基準によって提示される金額であり、自賠責保険基準を上回ることが多いですが、裁判基準よりも低くなるのが通常です。

 

 裁判基準

裁判基準とは、訴訟(裁判)によって通常認められる金額をいい、赤い本(民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準)と呼ばれる書籍などを用いて算定します。

裁判基準は3つの基準の中で最も高額となるのが通常です。

弁護士が被害者の代理人となる場合、示談交渉や訴訟などの手段を用いて、裁判基準による賠償金額の獲得を目指します。

 

以上のように、慰謝料という一つの損害費目をとってみても、対応や解決方法によって賠償金額は大きく異なってくることになります。

示談金額などについて悩んでおられる方は、ぜひ当事務所まで一度ご相談ください。


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