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法律コラム

盗撮や痴漢などの迷惑行為で捜査されている時の対応

2020年05月28日

北海道迷惑行為防止条例違反の内容は?罰則は?

盗撮や痴漢などの迷惑行為は、各都道府県の条例によって取り締まられています。

北海道では、北海道迷惑行為防止条例という条例があり、公共の場所等での盗撮や痴漢などの卑わいな行為をした者について、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するとされています。

「公共の場所」と記載しましたが、住居、浴場、トイレなどの場所にいる、一部でも衣服を着けていない人を盗撮する行為についても、同様に罰則の対象とされています。

また、常習としてこれらの行為をした者については、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するとされています。

※令和2年5月時点の条例内容です。

 

被害者への謝罪や示談は必ず検討するべき

盗撮や痴漢のような被害者のいる犯罪の場合、被害者への謝罪や慰謝料(示談金)の支払いを考える必要があることは言うまでもありません。

被害者のいる犯罪の場合、通常、被害者との示談が刑事罰の判断において最も重視されます。

それでは、示談を検討するタイミングはいつ頃なのでしょうか。

盗撮や痴漢などの迷惑行為について警察から捜査を受ける場合、逮捕や勾留がなされる場合と、身体拘束がされずに在宅のまま捜査がなされる場合があります。

前者の場合、捜査のための身体拘束の期間は最大23日間と決められています。

他方、後者の在宅捜査の場合、このような期間制限は無いため、警察からしばらく連絡が来ないなど、捜査に一定の時間がかかる場合があります。

しかしながら、在宅捜査の場合にも、被害者への謝罪や示談を行うことのできる時間が無限にあるわけではありません。

したがって、謝罪や示談については、在宅捜査の場合であっても早期段階から速やかに検討するべきといえるでしょう。

 

弁護人として示談交渉の対応ができるのは弁護士だけ

被害者への謝罪や示談交渉のことを検討するとしても、通常、加害者本人が被害者と直接接触することはできません。

仮に接触可能な状況にあるとしても、加害者が自分で被害者側と交渉し、示談の交渉や手続きを行うのは危険です。

そこで、代わりに謝罪や示談交渉の対応してくれる者を探す必要がありますが、加害者の弁護人となってこれらの対応をできる資格者は弁護士だけです。

加害者の弁護人になった弁護士は、被害者との示談交渉だけでなく、警察や検察の担当者とのやりとりにも対応し、弁護活動を行います。

したがって、被害者への謝罪や示談交渉を検討する場合は、まずは弁護士へ相談することから始めるべきでしょう。


交通事故で重傷被害を負った時に適正な賠償をしてもらうためには

2020年04月24日

まずは加害者側が自動車保険に加入しているかの確認

交通事故に遭って怪我を負った場合、損害賠償をしっかりと対応してもらえるかどうかは、加害者側の自動車保険への加入状況がまずは重要になります。

自動車保険には、法律で加入が義務付けられている自賠責保険と、自賠責保険では足りない部分を補う任意保険の2種類があります。

加害者が自賠責保険に加入しているものの、任意保険には加入していない場合、自賠責保険で受けられる賠償の金額は「自賠責基準」と呼ばれる低い基準で算定された金額になります。

加害者が自賠責保険にすら加入していない場合も、政府保障事業という制度を活用し、自賠責基準の補償を受けることは可能です。

加害者が任意保険に加入している場合には、通常、任意保険会社の担当者が被害者への対応を行います。

そして、任意保険は自賠責保険では足りない部分を補う保険であることから、自賠責基準を上回る損害賠償を期待することができます。

もっとも、後述のとおり、加害者が任意保険に加入しているからといって、納得のいく損害賠償をしてもらえるとは限りません

 

後遺症が残る可能性を考える

交通事故で負った怪我が重傷の場合、治療を続けても後遺症が残ってしまう可能性があります。

例えば、骨折や脱臼の怪我を負った場合、以前よりも足が曲がらない、腕を上げられないなど、可動域が制限されてしまう後遺症が残ることがあります。

後遺症が認められるかどうか、認められるとしてもどのような後遺症が認定されるかによって、慰謝料などの損害賠償金の金額は大きく変わってきます。

したがって、後遺症が残る場合、適正な後遺症の認定を得ることが重要となります。

 

重い怪我であるほど弁護士の活用を検討するべき

怪我が重傷である場合、慰謝料などの損害額も大きなものになります。

したがって、加害者側にはしっかりと損害賠償に応じてもらう必要がありますが、前述の任意保険に加入している場合であっても、いわゆる「任意保険基準」の損害賠償金が提示されることが通常です。

「任意保険基準」とは、任意保険会社独自の基準であり、裁判において基準とされる「裁判基準」の損害賠償金よりも低い基準です。

最も高額の「裁判基準」による損害賠償をしてもらうためには、被害者が弁護士を立てる必要があります。

弁護士が「裁判基準」による示談交渉を行うことにより、「任意保険基準」の倍額以上の損害賠償金額になることも珍しくありません。

また、適正な後遺症を認定してもらうために、弁護士のサポートが重要になることもあります。

交通事故で負った怪我が重傷であるほど、弁護士を立てるか否かによって生じる損害賠償金の差額は大きくなるのです。

したがって、交通事故で負った怪我が重傷の場合、弁護士の活用を必ず検討するべきといえます。


「離婚したい」と決意した時に準備すべきことは?

2020年04月07日

離婚協議で何が問題になるかをまず整理する

「離婚したい」と本格的に考えた時、子どものことやお金のこと、自宅や仕事のことなど、様々なことが頭に思い浮かぶと思います。

いずれも離婚後の生活にとって大事な事柄ですが、相手との離婚協議で特に何が問題になるかをまず整理する必要があります。

つまり、相手と揉めることが予想される点をまずは整理すると良いでしょう。

子どものことであれば、親権がどちらになるのか、親権者ではなくなる親の子どもとの面会交流はどうするのか、養育費はどうするのかなどです。

お金のことであれば、財産分与はどうするのか、年金分割の必要はあるのか、慰謝料請求の可能性はあるかなどです。

また、別居後、離婚が成立するまでの生活費(婚姻費用)も重要な問題です。

クレジットカードの家族カードを作っているというケースも多くありますが、これをどうするかという問題もあります。

財産分与については、自宅をどうするのか、まだ残っている住宅ローンをどうするのか、自宅が夫婦共有名義になっている場合はどうするのかなど、自宅の問題にも派生します。

将来発生が予測される退職金も財産分与の対象となる可能性があるため、この点も検討事項になります。

そして、そもそも相手が離婚に応じるかどうかという点も検討しておく必要があります。相手が離婚に応じてくれない場合にどう対処するかということも考えておかなければなりません。

このような様々な検討事項のうち、相手との離婚協議でどれが問題になるのかということをまず整理する必要があるのです。

 

収入や財産を把握しておくことが重要

離婚協議を進める中で、お金のことを全く考えなくて良いというケースはまず無いでしょう。

したがって、ほとんどのケースで、夫婦の収入や財産を把握しておくことが重要になります。

「お金のことは妻に全て任せているので分からない。」「夫の収入はよく知らない。」とおっしゃるご相談者はよくいらっしゃいますが、可能であれば、離婚協議や別居を始める前に、夫婦の収入や財産のことを把握しておくことが望ましいといえます。

 

離婚届を衝動的に書くのは危険!

離婚協議で問題になることをまず整理する必要があるとご説明しましたが、離婚の手続きだけを見ると、互いに離婚届を書いて役所へ提出すれば、離婚は成立します。

そして、子どもがいる場合も、親権者をどちらにするかという指定さえあれば離婚届を提出することはできます。

しかしながら、お金のことや自宅のことなどを取り決めないまま衝動的に離婚届を書くことは大きなリスクを伴う恐れがあり、避けるべきでしょう。

例えば、離婚が成立すれば、夫婦ではなくなるため、婚姻費用を請求することができなくなります。

また、財産分与について言えば、法的には離婚後も2年以内であれば請求可能なのですが、離婚前と離婚後であれば交渉の仕方が変わってきます。

すなわち、離婚した後では、離婚する前に比べて財産分与や慰謝料などの交渉が難しくなるケースがしばしばあるのです。

以上のように、衝動的に離婚届を書いてしまうことにはリスクを伴うおそれがありますので、一度思いとどまって慎重に検討することが重要です。

 


借金や不要な土地の相続を回避する方法

2020年03月27日

親や配偶者、兄弟が借金を抱えたまま亡くなったら

自分の親が亡くなったときに相続のことを頭に思い浮かべる方は比較的多いと思います。

それでは、自分の兄弟が亡くなったと、さらには、自分の叔父や叔母が亡くなったときに、相続のことを考えるでしょうか。

このような場合にも、自分が相続人になることがあるのです。

具体的には、自分の兄弟に子がおらず、親もすでに亡くなっている場合、相続人となります。

また、自分の叔父や叔母に子がおらず、叔父や叔母の親がすでに亡くなっており、自分の親もすでに亡くなっている場合、甥や姪である自分が相続人となります。

借金がある場合にはこれも相続の対象になるということになります。これを放置すれば、借金の全部又は一部を自分が返済しなければならないことになってしまうのです。

このような場合の対処法が、相続放棄という手続きです。

家庭裁判所に相続放棄の申述をすることにより、始めから自分が相続人ではなかったことになります。

相続放棄が認められれば、預貯金などのプラスの遺産を相続することができなくなりますが、借金などのマイナスの遺産を相続することも回避できるのです。

 

不要な土地にも固定資産税が発生する

借金の相続が無くとも、遺産は不要な土地だけというケースもしばしばあります。

例えば、遠方のよく知らない土地であるという場合や、ほとんど価値が無く、売却することも困難な土地であるという場合です。

このような場合であっても、一定額の固定資産税が土地には毎年発生し、これを負担し続けなければならないリスクが相続人に生じます。

そこで、相続放棄を行い、不要な土地を相続しないという対策が考えられます。

 

相続放棄をする場合の注意点

以上のように、借金や不要な土地の相続を回避するための方法として、相続放棄の方法が考えられますが、いくつか注意点があります。

最も注意すべきは、手続きの期限です。

相続放棄の申述は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならないとされています。

「自己のために相続の開始があったことを知った時」というのは、通常、亡くなったことを知った時になりますので、期限はかなり短いと言えます。

もっとも、すでに3か月を過ぎてしまっているという場合にも、相続放棄が受理されるケースはございますので、まずは弁護士へご相談ください。

また、相続放棄の手続きをとれば、借金などの負債を放棄するだけでなく、預貯金などのプラスの財産も含めて全て放棄することになるため、プラスの財産だけ取得することはできない点に注意する必要があります。

さらに、借金を放棄できるという点についても、相続放棄の手続きをとったことで自動的に貸金業者等からの督促が止まるわけではありませんので、この点にも注意が必要です。

相続放棄の受理通知書のコピーを貸金業者等へ送付する方法などにより、相続放棄を行なったことを知らせる必要があります。

最後に、不動産については、その管理責任に注意する必要があります。

すなわち、相続放棄をした場合も、直ちに不動産の管理責任を免れるわけではないのです。

例えば、放置された古い空き家が倒壊するなどして第三者に損害を与えてしまった場合、損害賠償責任を負う可能性が生じるのです。


クレジットカードのリボ払いは債務整理の対象になる?

2020年03月12日

クレジットカードの未払い分も「債務」の一つ

債務整理とは、弁護士等に依頼して自分が負っている債務を整理してもらうことですが、この「債務」とは、必ずしも消費者金融などからの借金のことだけに限りません。

例えば、クレジットカードの未払い分や滞納家賃、親族や知人からの借り入れなど、「債務」には、誰かに対して支払わなければならない義務が広く含まれます。

したがって、債務整理を行う場合には、クレジットカードのリボ払いも対象とすることになります。

債務整理の方法には、任意整理、個人再生、自己破産の大きく分けて3種類がありますが、クレジットカードのリボ払いも債務整理の対象になることを前提に、弁護士は方針を検討します。

リボ払いには高額な手数料がかかることが多い

クレジットカードのリボ払いにはどのくらいの手数料がかかっているか、ご存知でしょうか。

各クレジットカードによりますが、おおよそ年率15%程度の手数料が発生することが多いように思われます。

そうすると、仮に合計100万円のリボ払いの利用がある場合、年間15万円を支払ったとしても、すべて手数料に充当され、元金残額は1円も減らないことになります。

リボ払いの特徴として、毎月の支払い額が一定であることがメリットとして強調されることがありますが、このような高額の手数料がかかってしまうことを見落としてはいけません。

毎月の支払い額が一定であるとしても、いつまで経っても支払いが終わらないという事態になりかねません。

 

返済のために借り入れる「自転車操業状態」になっていませんか?

クレジットカードのリボ払いの支払いが厳しいからカードローンで借り入れをするというサイクルになっている場合、いわゆる「自転車操業状態」であり、非常事態です。

また、クレジットカードの限度額に達したため、新しく作ったクレジットカードを使って買い物の支払いをするという場合も、実際上、自転車操業状態に陥っているといえます。

このような状態に陥れば、手数料や利息で負債の残高は膨れ上がり、自力で完済することは極めて困難となるでしょう。

前述のとおり、クレジットカードのリボ払いも債務整理の対象になりえます。

したがって、早急に弁護士に相談し、債務整理を検討すべきです。

弁護士への相談が遅れれば、債務整理の選択肢が狭まるなど、状況がより悪化する恐れがあります。


少年事件の手続きの流れ(在宅の場合)

2019年11月01日

取り調べなどの捜査段階

少年事件について捜査が行われる場合、成人の刑事事件と同様に、逮捕・勾留がなされるケースもあれば、在宅により捜査がなされることもあります。

在宅捜査がなされる場合、呼び出しに応じて警察署や検察庁に赴き、取り調べが行われるということが一般的です。

在宅での捜査の場合、学校に通うなどの普段の生活を送りながら捜査に応じることができますが、この段階から弁護士に一度相談されることをお勧めします。

特に被害者のいる犯罪の場合、早期に被害者への謝罪や示談交渉を開始することを考える必要があります。

時期が遅れれば示談交渉が困難になる恐れがありますし、早期に被害者側と向き合うことが、罪を犯した少年の内省を深めることにも繋がるでしょう。

また、少年事件においては、少年が今後更生していくための環境調整も重要になりますので、この点についても弁護士に早期段階から対応してもらう必要があります。

 

家庭裁判所への送致後、鑑別や調査官との面談

捜査が一通り終了した後は、家庭裁判所への送致がなされます。

家庭裁判所へ送致がなされた後は、家庭裁判所調査官による調査が始まることになります。

調査方法は、学校への照会手続きや、少年や保護者との面接などです。

また、調査にあたって活用されるのが、少年鑑別所における「鑑別」です。

少年鑑別所における「鑑別」とは、少年の更生の方針を立てるために、各種心理テストや面接などを通じて、少年の環境や人格などを明らかにしていく手続きです。

少年鑑別所に通所するなどの方法で鑑別がなされる「在宅鑑別」という手続きがありますが、在宅事件であっても、家庭裁判所へ送致後に少年鑑別所に収容して鑑別手続きがなされるおそれはあります。

少年鑑別所への収容によって学校などに大きな影響が及んでしまう場合、家庭裁判所への送致前から弁護士へ相談しておくべきでしょう。

また、家庭裁判所への送致後も、弁護士に家庭裁判所調査官と面談してもらうことや、記録の閲覧をしてもらうなどの対応が重要になります。

 

家庭裁判所での審判手続き

少年鑑別所に収容された場合、通常、3〜4週間後に「審判」という手続きが開かれますが、在宅で鑑別がなされる場合は、家庭裁判所への送致から数ヶ月後に審判が開かれることが多いと思われます。

少年事件の審判では、成人の刑事裁判とは異なり、原則として非公開であり、検察官もいません。

また、弁護士から主張立証を示すのがメインではなく、裁判所が主導して少年に質問するなどして調査を行うという形式になります。

もっとも、審判期日の前に、弁護士は少年の付添人として裁判所に意見書を提出します。

裁判官はこの意見書を踏まえて審判に臨みますので、的確な意見書を提出することが重要になりますが、そのためには早期段階から弁護士に関わってもらうことが望ましいでしょう。


弁護士への相談はどうやってすればいい?

2019年10月08日

法律相談はどのように実施される?

昨今ではインターネット上でも多くの法律事務所のホームページが並び、法律事務所のCMなども見かけるようになりました。

しかし、「弁護士に相談したいけれども、弁護士への相談の仕方が分からない。」というお悩みを持つ方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

法律相談の実施の仕方は大きく分けて、①電話やメールでの相談、②面談での相談、の2種類が考えられます。

①の電話やメールでの相談は、簡便な方法というメリットはありますが、関係資料の確認不足や情報の伝え漏れが生じる恐れもあります。

したがって、できる限り②の面談での相談を選択すべきでしょう。

面談での相談をする場合、まずは法律事務所へ相談予約の問い合わせを行います。

法律事務所とやりとりで相談日時が決まれば、その日時に法律事務所へ赴く、という流れになります。

なお、当事務所では面談での相談のみを原則としておりますが、遠方などですぐに面談に行くことが難しいという場合は別途ご相談ください。

相談予約のお問い合わせは、電話やお問い合わせフォームでの受付のほか、スマートフォン用アプリ「LINE」での相談予約も受け付けております。

 

相談の時には何を持っていけばいい?

面談での相談を予約した後、いざ法律相談の当日には何を持っていけばいいでしょうか。

一般的には、以下の3点が考えられます。

①関係資料一式

②経緯について時系列でまとめたメモ等

③印鑑(認め印で構いませんが、シャチハタ不可)

①の関係資料については、例えば、相手方の弁護士からの通知書、相手方と取り交わした協議書などが考えられます。

特にそういったものは無いということであれば、持参資料無しで構いません。

②のメモについては、A4用紙1〜2枚程度に簡単にまとめたもので構いません。

また、メモの作成はパソコンで作成しても手書きで作成しても構いません。

相談の際に時系列を整理したメモを弁護士へ手渡せば、ご相談がスムーズに進むでしょう。

 

まずはお気軽にお問い合わせを

以上のとおり、弁護士への相談の仕方について説明してきましたが、当事務所へのご相談を検討されている場合、まずはどうぞお気軽に当事務所までお問い合わせください。

また、当事務所では初回無料相談も実施しておりますので、こちらもぜひご活用ください(営業時間外は有料。また、相談内容によっては有料となります)。


離婚調停は自分で対応する?弁護士を立てるべき?

2019年08月23日

離婚調停を自分で対応すると、どんなリスクがある?

離婚の手続きには、協議、調停、裁判(訴訟)という3つの段階があります。

離婚調停とは、家庭裁判所で離婚に関する話し合いを行う手続きです。

話し合いをするといっても、夫婦が直接面と向かって話し合うのではなく、調停委員という男女2名の方にそれぞれ順番に話を聞いてもらう形式で話し合いを行います。

裁判との大きな違いは、離婚調停では、裁判所が判決を下すことは無いという点です。

あくまで夫婦双方の合意ができた時にだけ、正式な取り決めがなされることになります。

そうすると、判決が下されないのであれば、弁護士を立てなくとも良いように思われます。

しかしながら、離婚調停を自分で対応する場合、以下のようなリスクがあると考えた方が良いでしょう。

 

① 法的に有効な主張を見落としてしまうor主張の仕方が有効でない

離婚調停が話し合いとはいえ、目的も無く話し合うものではありません。

例えば、「慰謝料を請求したい」「より高額の養育費を求めたい」「財産分与の金額を下げたい」など、夫婦それぞれに希望があることが通常です。

ところが、調停を自分一人で対応している方の場合、自分の希望に近づけるために調停の場で何を主張すれば良いのか分からず、法的に有効な主張を見落としてしまうケースが多くあります。

また、法的には不要な主張を繰り返してしまう、自分の理屈ばかりを長々と主張してしまうなど、主張の仕方が有効でないケースも多くあります。

自分で離婚調停の対応をした場合、このような効果の乏しい主張を繰り返してしまい、不利な結果を招いてしまうリスクがあります。

 

② 妥当な解決策が分からないまま泥沼化させてしまう

離婚調停では、最終的に合意に達しなければ、何も決まらないまま手続きが終わることになります。

ところが、自分で離婚調停の対応をした場合、妥当な落とし所が分からずに感情的な主張を続けた結果、ずるずると手続きが長期化した上に、結局何も決まらないまま終了するというケースが多くあります。

法的に妥当な解決策や落とし所を踏まえた上で調停手続きを進めることが重要ですが、これを理解しないまま手続きを泥沼化させてしまうリスクあるのです。

 

③ 実は不利な内容なのに合意してしまう

妥当な解決策や落とし所が分からないと、不利な内容で合意してしまうというリスクも生じます。

離婚調停では、調停委員の方々が当事者双方の話を聞いてくれますが、当事者の味方(代理人)になってくれるわけではありません。あくまで中立的な立場です。

したがって、不利な内容にならないように裁判所が指導してくれるわけではないため、自分にとって不利な内容で合意してしまうリスクが生じるのです。

 

実は離婚調停よりも重要?婚姻費用分担調停とは

離婚調停よりも重要な意味を持つことがしばしばあるのが、婚姻費用分担調停です。

婚姻費用とは、別居期間中の生活費のことです。

「毎月◯万円」という取り決め方になりますが、子どもだけでなく、夫婦間の扶養義務も考慮された金額になりますので、養育費よりも高額になるのが通常です。

したがって、婚姻費用はとても重要な取り決め事項になります。

この婚姻費用を求めて家庭裁判所へ申し立てる手続きが、婚姻費用分担調停です。

婚姻費用分担調停の大きな特徴は、調停手続きで合意ができなくとも、自動的に審判という手続きに移行し、裁判所が決定を下すという点です。

離婚調停では裁判所は決定を下しませんので、この点で手続きが異なります。

そうすると、婚姻費用分担調停では、審判手続きに移行する場合に備えて、自分にとって有利な決定を裁判所に下してもらえるように、きっちりと法的な主張立証を行わなければなりません。

そのため、婚姻費用分担調停こそ、弁護士に対応してもらった方が良いケースが多くあるのです。

 

こんな事態になっていませんか?特に弁護士を立てた方が良いケース

弁護士を立てるためには弁護士費用が発生するため、この点で躊躇してしまう方も多いと思います。

しかしながら、以下のようなケースでは、特に弁護士への依頼をお勧めします。

 

①話し合いが円滑に進むとは思えない場合

夫婦が調停で話し合ったとしても、とても話し合いが円滑に進むとは思えない場合、早期段階から弁護士を立てることをお勧めします。

いわゆる「話にならない」状態の場合、離婚調停でもこの状況が続き、調停手続きが不必要に長期化・泥沼化する危険があるためです。

このような状態でも弁護士が介入することにより調停がまとまることは多くありますし、調停がまとまらない場合には裁判手続きで解決するという方針変更を検討することもできます。

もっとも、裁判で解決することが難しいケースもありますので、まずは弁護士へご相談ください。

 

②請求するor請求される金額が高額である場合

慰謝料や財産分与、養育費など、相手方に請求する、あるいは相手方から請求される金額が高額である場合、弁護士を立てるべきでしょう。

弁護士を立てないことで不利な結果になった場合、被る不利益が大きいためです。

弁護士費用の負担が生じるとしても、弁護士を立てたことで得られた利益の方が大きくなる可能性は高いため、費用対効果の観点からも弁護士に動いてもらうメリットが大きいといえます。

 

③相手方が弁護士を立てている場合

相手方が弁護士を立てている場合、法律や裁判例の知識量、主張立証能力、手続きの経験値など、多くの面で相手方との差が生じてしまいます。

そのことが結果に大きな影響を与えない可能性も無いわけではないですが、やはりこちらも弁護士を立てる方が安心でしょう。

 

当事務所では離婚問題に関する初回無料相談を実施しております。

まずはどうぞお気軽にご相談ください。


交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットとは?

2019年07月17日

被害者が示談交渉を自分で対応することは可能か?

交通事故に遭って怪我をしたとき、必ず対応しなければならないのが示談交渉です。

加害者側は保険会社の担当者が対応していても、被害者は自分で示談について対応しなければなりません。

それでは、被害者が示談交渉を自分で対応することは可能なのでしょうか。

「示談交渉」と言っても、基本的な手続きとしては、「承諾書」などのタイトルで損害賠償の金額が記載された書類に署名押印すれば、示談手続きは完了となります。

しかしながら、損害賠償金額の内訳には、怪我に対する慰謝料や、仕事を休んだことに対する休業損害などが記載されていますが、これらが妥当な金額であるか否かの判断には、専門的な知識が必要になります。

そして、特に重要なこととしては、怪我に対する慰謝料などは、弁護士が介入する場合に比べて、低額の提示がなされていることがほとんどであるということです。

したがって、自分で示談交渉の対応をすることができたとしても、本来支払われるべき損害賠償金額よりも低額になってしまう可能性が非常に高いのです。

 

まずは弁護士費用特約が使えるかどうかを確認!

本来支払われるべき損害賠償金額を求めるため、弁護士への依頼を検討して頂きたいところですが、この時、懸念されるのが弁護士費用のことであると思います。

そこで、まずは是非ともご確認頂きたいのが、ご自身の自動車保険に弁護士費用特約が付いているか否かという点です。

弁護士費用特約を利用することができれば、原則として、法律相談料や弁護士費用についての自己負担無しで、弁護士に依頼することが可能になります。

大事なこととしては、ご自身の自動車保険に限らず、例えば、妻や夫の自動車保険、同居の親族の自動車保険、さらには、別居している親の自動車保険に付いている弁護士費用特約も利用可能という点です(もっとも、保険商品は様々であり、変化する可能性もありますので、利用可能か否かは各保険会社へご確認ください)。

弁護士費用特約を利用してひとまず弁護士に法律相談に乗ってもらい、弁護士に依頼するか否かは追って検討するということも可能であるため、まずはお気軽にご相談ください。

 

むち打ち症の場合も弁護士に相談を

交通事故の被害に遭った場合、最も多い怪我が頚椎捻挫や腰椎捻挫などのいわゆるむち打ち症です。

例えば、赤信号などで停車しているときに、後方から車両に追突された場合、むち打ち症が生じることが多いでしょう。

通常、しばらく通院を続けた後、通院を終了し、相手の保険会社担当者から示談に関する書類が届くという流れになります。

このような場合、「このくらいの怪我であれば弁護士に相談する必要は無いのではないか。」と思われるかもしれません。

しかしながら、本来支払われるべき損害賠償金額よりも、数十万円以上低い金額で提示されていることが多くあります。

したがって、弁護士費用特約を利用可能であれば、安易に示談に応じるのではなく、まずは弁護士への法律相談だけでも予約されることを強くお勧めいたします。


顧問弁護士の活用法と費用の目安

2019年07月02日

中小企業にとって顧問弁護士はなぜ必要か

北海道や札幌の中小企業において、顧問弁護士を抱えている企業というのはまだ少ないかもしれません。

「税理士や社会保険労務士については専属の顧問がいるけれども、顧問弁護士はいない」とおっしゃる経営者は珍しくありません。

しかしながら、顧問弁護士がいなければ、中小企業は以下のようなリスクを抱えることになります。

・法的トラブルに遭遇したとき、スムーズに弁護士に相談することができない

・ちょっとしたことを弁護士に確認するにもいちいち手間を要する

・継続的に専属の弁護士に相談することができない

・急ぎの案件であっても優先対応してもらえない

・自社に顧問弁護士がいることを対外的に示すことができない

法的トラブルや法的問題に直面したとき、専属の弁護士がいなければ、企業は本来の業務に大きな支障をきたすことになりかねません。

自社の顧問弁護士がいれば、スムーズに弁護士に対して問題の解決を任せることができます。

また、顧問弁護士が存在することを対外的にも示すことにより、企業への信頼度を高めることもできます。

中小企業が法的トラブルや法律問題に囚われることなく、安心して本来の業務を遂行するためには、自社の顧問として頼ることのできる弁護士が必要となるのです。

 

顧問弁護士の具体的な活用法

それでは、具体的には顧問弁護士をどのように活用すればよいでしょうか。

一般的に、以下のような顧問弁護士の活用の仕方が考えられます。

・顧問弁護士がいることを対外的に示し、自社への信頼度を高める

・ちょっと確認したい法的な問題を顧問弁護士に電話やメールで質問する

・弁護士に定期的に自社へ訪問してもらい、相談に乗ってもらう

・法的トラブルが生じた時に顧問弁護士に優先対応してもらう

・裁判などの紛争対応費用を割引価格で顧問弁護士に対応してもらう

・福利厚生の一環として従業員の相談も対応してもらう

これらのような顧問弁護士の活用法が考えられます。

また、当事務所では、昨今問題となっている、中小企業の事業承継に関するご相談についても、顧問先企業様へのサービスを行なっております。

 

活用法に応じた顧問弁護士の費用の目安

それでは、顧問弁護士の費用は月々どのくらいかかるのでしょうか。

これは法律事務所や弁護士によって様々ですが、おおよそ月額3万円〜10万円程度というのが相場と思われます。

もっとも、「顧問弁護士に毎月10万円を支払っているけれども、特に顧問弁護士を活用できていない。」という中小企業も多いように思われます。

そこで、当事務所では、顧問弁護士をどのように活用するかという活用方法に応じて、月額1万1000円からの顧問弁護士サービスをご用意しております。

当事務所の顧問弁護士サービスでは、月額1万1000円、月額3万3000円、月額5万5000円の3プランをご用意していますが、それぞれの活用方法のイメージは概ね以下のとおりです(なお、価格はいずれも税込表示です)。

 

【月額1万1000円プラン】

・弁護士に相談したいことは滅多に無いが、対外的に顧問弁護士と契約していることを示したい。

・弁護士に相談したいことが時折生じるが、少し相談するだけで解決することがほとんどである。

・法的文書や契約書を作成しなければならないことが稀に生じる。

・法的トラブルに遭遇する可能性は低いが、念のため、顧問弁護士に頼れる環境を用意しておきたい。

 

【月額3万3000円プラン】

・弁護士に相談したいことが時折生じる。

・法的文書や契約書を作成しなければならないことが時折生じる。

・顧問弁護士に自社に訪問してもらいたい時がある。

・自社の従業員やその家族の相談にも乗ってもらいたい。

・社内セミナーや講演を顧問弁護士に依頼したい。

・事業承継について継続的に相談に乗ってもらいたい。

 

【月額5万5000円プラン】

・弁護士に相談したいことが定期的に生じる。

・法的文書や契約書を作成しなければならないことが定期的に生じる。

・顧問弁護士に自社に定期的に訪問してもらいたい。

・自社の従業員やその家族の相談にも乗ってもらいたい。

・社内セミナーや講演を顧問弁護士に定期的に依頼したい。

・事業承継について継続的に相談に乗ってもらいたい。

 

以上のとおり、それぞれの企業のニーズに応じたプランを設定させて頂くことが可能ですので、ご興味を持たれた経営者の皆様は、どうぞお気軽に当事務所までお問い合わせください。

なお、当事務所では、札幌はもちろんのこと、函館や釧路、帯広、北見などの北海道内各地の企業との間で顧問契約を締結しておりますので、札幌以外の企業様もぜひご検討ください。