離婚問題・交通事故・企業法務(顧問契約等)に強い、札幌とくみつ法律事務所


法律コラム

遺産分割に時効はない?相続手続を放置してはいけない理由

2024年06月27日

※2024年6月現在の法律に基づくコラムです。

相続に関連する様々な期間制限がある

相続の発生後、遺産分割協議をすることなく長期間が経過しているという事案をしばしば見かけることがあります。

確かに遺産分割をすること自体には時効はありません。長期間が経過した後であっても遺産分割協議をすること自体は可能です。

しかしながら、手続きを放置することにより様々な不利益を被るリスクがあります。

その理由として、まず、遺産分割自体に期間制限はなくとも、以下のような相続に関する様々な期間制限が設けられていることが挙げられます。

①相続放棄

借金を相続したくないなどの理由で相続放棄を希望する場合、原則として相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述をしなければなりません。

②相続税の申告

相続財産等が基礎控除額を超えて相続税の申告が必要となる場合、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告をしなければなりません。

③遺留分侵害額の請求

遺言書や生前贈与により自分の遺留分が侵害されている場合、遺留分侵害額の請求をすることができますが、相続開始と侵害の事実を知った時から1年間行使しないときは、時効によって請求権が消滅してしまいます。

相続開始の時から10年を経過した時も、同様に消滅してしまいます。

④相続登記の義務化

令和6年4月1日から不動産の相続登記が義務化されたため、相続により不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

また、遺産分割により不動産を取得した相続人は、遺産分割成立から3年以内に相続登記をしなければなりません。

⑤不当利得返還等の請求

例えば、被相続人の生前に相続人の一人が被相続人の預貯金を私的に流用していたことなどを主張したい場合、不当利得返還請求という法律構成を取ることが考えられますが、私的流用を知った時から5年が経過するなどした場合には時効により請求できなくなってしまいます。

⑥特別受益や寄与分の主張

相続法の改正により、特別受益や寄与分の主張についても期間制限が設けられました。

原則として相続開始から10年が経過すると、特別受益や寄与分の主張ができなくなります(もっとも、令和5年4月1日からしばらくの間は経過措置があるなど、例外もあります)。

 

時間の経過と共に状況が変化し、協議がより難しくなる

前述のとおり、相続に関わる様々な期間制限に注意しなければなりませんが、遺産分割を放置してはいけない理由は他にもあります。

それは、放置して時間が経過すると、状況が変化し、遺産分割の協議をすることがより困難になる恐れがあるということです。

例えば、子のいない被相続人が死亡し、当初は兄弟3人で遺産分割協議をすればよかったというケースを考えてみます。

時間の経過と共に相続人となっていた兄弟も死亡した場合、その妻や子らなどが新たに遺産分割協議に加われなければならなくなります。

つまり遺産分割協議書に署名押印しなければならない人数がどんどん増えて行く恐れがあるのです。

また、相続人の一人が高齢となり、認知症になったため、自ら遺産分割に参加できなくなるという事態が発生することも考えられます。

この場合、この相続人の代理人となってもらう成年後見人の選任を家庭裁判所に対して申し立てなければならなくなります。

さらに、相続人の一人が行方不明になるというようなことも実際にあります。

この場合、家庭裁判所に対して不在者財産管理人という者の選任を申し立てなければならなくなります。

 

放置せずに相続手続きの対応をすることが重要

以上のとおり、相続手続きや遺産分割を放置することにより、主張できたはずのことを主張できなくなるリスクや、手続きが非常に煩雑になってしまうリスクが生じます。

したがって、相続が開始した場合には、相続手続きを放置することなく遺産分割などの対応を進めていくことが重要になります。

そして、当事者同士では遺産分割を進めることが困難な場合、そのまま手続きを放置するのではなく、弁護士へ相談してみることをぜひご検討ください。


交通事故の裁判(訴訟)の流れ

2023年07月26日

交通事故の被害に遭った!弁護士や裁判は必要?

交通事故の被害に遭った場合、問題となるのが加害者に対する損害賠償請求の手続きです。

加害者が任意保険に入っている場合、加害者側の保険会社が損害賠償の対応をすることになります。

しかしながら、相手保険会社が妥当な損害賠償をしてくれるとは限りません。

特に怪我の慰謝料については、その保険会社の基準で損害賠償額を提示することが多いため、本来支払われるべき十分な損害賠償がなされません。

したがって、交通事故の被害に遭って怪我をした際には、弁護士へ相談することをお勧めします。

そして、その際には弁護士費用が問題となるため、まずはご自身の自動車保険やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付帯されていないかどうかを確認しましょう。

弁護士に依頼した場合、弁護士は相手保険会社との示談交渉を行うのが通常です。

しかしながら、交渉がまとまらない場合、裁判を起こして決着をつけるという流れになります。

裁判の手続きはどんな風に進む?

裁判で解決することとなった場合、概ね以下のような流れになります。

第一審の判決までの流れになります。

①裁判を起こす準備(訴状作成や証拠収集)

②裁判の申し立て(訴状や証拠書類の提出)

③第1回口頭弁論期日の指定

(「口頭弁論期日」などの期日には、当事者双方が出席し、当事者の主張内容などを明らかにしますが、通常は事前に主張内容を記載した書面を提出しますので、提出書面の確認や、裁判の進行方針の確認にとどまることが多いです。)

④被告側から答弁書等の提出

⑤第1回口頭弁論期日

⑥口頭弁論期日や弁論準備手続期日などの期日の定期的な開催

各期日の間で当事者から主張反論書面や証拠書類の提出

⑦双方の主張反論が概ね尽きたタイミングで、裁判所から和解案の提示

⑧和解が成立しない場合、当事者尋問や証人尋問

⑨尋問終了後、場合によっては再度和解協議

⑩やはり和解が成立しない場合、判決

(当事者双方のいずれかが控訴をした場合、引き続き、控訴審の手続きに移ることになります。)

裁判にはどのくらいの時間がかかる?裁判所に行かなければならない?

前述の①から⑩までにかかる時間はケースバイケースですが、1年以上かかることも多いのではないかと思われます。

⑦のタイミングで和解が成立する場合、もう少し早く終結することもありますが、それでも数ヶ月間を要します。

したがって、一般の方の感覚からすると、裁判にはかなりの時間がかかると考えておくのが無難かもしれません。

前述の③で記載したとおり、裁判の期日には当事者双方が出席するのが原則になりますが、弁護士に依頼すれば、弁護士だけが出席すればよいということになります。

交通事故の裁判を自分で起こすという方は稀であるため、通常は弁護士に依頼し、弁護士に期日の対応や書類の作成をしてもらいます。

他方で、⑧の当事者尋問の期日の際には、当事者ご本人にも裁判所へ出廷してもらう必要があります。

「当事者尋問」とは、裁判所の法廷において、当事者ご本人が自分の体験した事実関係を話してもらう手続きです。

自由に話すのではなく、双方の弁護士や裁判官からの質問に答えるという形式で話してもらうことになります。

この当事者尋問が実施される場合、当事者ご本人は、弁護士と打ち合わせをしたり、裁判所の法廷に立ったりする必要があります。


債務整理の費用はどのように払うことになるのか

2023年05月24日

弁護士に債務整理を依頼するとどのような費用がかかる?

債務を整理する方法は大きく分けて、任意整理、自己破産、個人再生の3種類があります。

これらの債務整理を弁護士に依頼する場合、どのような費用がかかるでしょうか。

当事務所では以下の費用がかかることになります。

①着手金(弁護士が事件に着手して処理するための費用)

②事務手数料(各種事務処理をするための手数料)

法律事務所によっては、①の着手金の他に、手続きが成功した場合の報酬金がかかるところもありますが、当事務所では債務整理で報酬金を頂いておりません。(ただし、過払い金などの金銭の回収をした場合には報酬金が生じます。)

事務処理においては、郵送費などの実費が生じますが、当事務所では別途実費を頂くのではなく、②のとおり、定額の事務手数料をお支払い頂く形になります。

自己破産と個人再生は裁判所へ申し立てる手続きであるところ、特に破産管財人や再生委員の選任がなされる場合には、事務手数料が高額になる傾向にあります。

当事務所における具体的な債務整理の費用については、以下のリンク先をご参照ください。

https://sapporo-tokumitsu.com/service/#ichiran_saimu

債務整理の費用はどうやって払えばいい?毎月の返済はどうする?

それでは、債務整理の費用はどうやって支払えばよいのでしょうか。

もちろん一括で用意できればスムーズに手続きも進みますが、そのような余裕が無い状況であることの方が多いでしょう。

毎月の返済に苦慮している状況であり、とても債務整理の費用を用意する余裕が無いということは珍しくありません。

しかしながら、弁護士が介入して債務整理を開始すると、通常、毎月の返済を一旦停止することができます。

したがって、毎月の返済に充てていたお金を、債務整理の費用の支払いへまわすことができます。

また、当事務所では債務整理の費用について分割払いに応じていますので、弁護士と協議しながら、無理のない毎月の支払い金額を設定することができます。

他方で、長期間の分割払いで費用をお支払いいただくことになると、債務整理の手続きが滞ってしまうことになるため、この点も考慮した上で費用の支払い計画を立てる必要があります。

 

まずは早めに弁護士へ相談することが重要

以上のような方法で、債務整理の費用の支払いをご検討いただくことが可能ですが、「毎月の返済がかなり厳しい」「返済をするためにまた借金を繰り返している」などの状況にある場合には、できる限り早めに弁護士へ相談することが重要です。

相談が遅れれば遅れるほど、債務整理において選択できる方針が限られることになったり、債務整理をしにくい状況になったりする恐れがあるためです。

当事務所では営業時間内であれば初回無料相談を実施しています。

また、オンライン(zoom)での初回無料相談も実施していますので、まずはお気軽に当事務所までお問い合わせください。


弁護士に協議離婚の手続きを依頼するメリット

2023年03月15日

法律の専門家である弁護士が代理して交渉してくれる

協議離婚とは、裁判所の手続きを利用することなく、夫婦間で話し合いをして離婚することをいいます。

もっとも、必ず夫婦間で協議をしなければならないわけではなく、協議離婚の手続きを弁護士に任せることもできます。

法律の専門家である弁護士に相手との交渉を任せることにより、不当な離婚条件を押し付けられるというような事態を避けることができます。

また、相手と離婚協議をすること自体が精神的負担になっている場合、交渉の窓口を弁護士に任せることにより、そのようなストレスから解放されることになります。

離婚手続きについて代理人となることのできる専門家は弁護士だけであるため、「離婚協議を専門家に任せたい」という場合には弁護士への相談をご検討頂くことになります。

離婚協議書の取り交わしなどもそのまま任せることができる

離婚条件について協議がまとまった際には、離婚条件を書面に残す必要がある場合が多くありますが、弁護士に離婚協議を依頼していれば、離婚協議書の作成や取り交わしについてもそのまま任せることができます。

また、離婚協議書を公正証書(公証役場において作成する書面)で作成した方が良いケースもありますが、公正証書の作成手続きにも弁護士に対応してもらうことができます。

他方で、離婚条件などに関する協議がまとまらない場合にも、続けて調停や訴訟という裁判所での手続きをそのまま弁護士に任せることができるというメリットがあります。

費用をかけてでも弁護士に依頼した方が良いのはどんなケース?

弁護士に依頼するには弁護士費用の支払いが必要となります。

それでは、コストをかけてでも離婚協議を弁護士に依頼した方が良いのはどのような場合でしょうか。

例としては、以下のようなケースが考えられるかと思います。

①弁護士が代理して協議すれば話のまとまる見込みのある場合

まず、夫婦間では感情的になってしまい、冷静な話し合いができないものの、弁護士が代理人として相手と協議をすれば、話のまとまる可能性が高いというケースが考えられます。

また、相手が弁護士を立てたため、こちらも弁護士を立てて、弁護士どうしで協議をすれば話がスムーズに進む見込みがあるというケースもあります。

これらの場合には、弁護士が代理人となって協議することにより、協議離婚がまとまる見込みがあることから、弁護士に依頼することを検討した方が良いケースといえるでしょう。

②財産分与や慰謝料などの金額が大きい場合

次に、離婚条件で協議の対象となる金額が大きい場合も、弁護士に依頼することを検討した方が良いケースであることが多いです。

財産分与や慰謝料、養育費などの金額が大きい場合、仮に不当な条件で合意してしまうと、被る経済的不利益も大きくなってしまうためです。

したがって、このような場合には、法律の専門家である弁護士に妥当な解決を目指してもらうのが望ましいでしょう。

③法的妥当性の検討や離婚協議書の取り交わしが必要な場合

さらに、金銭面の金額が大きくなくとも、夫婦間で取り決めをしようとしていることや、相手から求められていることが、法的に妥当なのかどうかが疑わしいというケースにおいても、弁護士によるチェックが必要といえます。

そして、離婚協議書の取り交わしが必要ではないかと考えられるケースにおいても、法的観点からの検討が必要になるため、まずは一度弁護士へ相談してみることをお勧めします。

以上はあくまで例に過ぎないため、これらに当てはまらないケースであっても、協議離婚に不安を感じる場合には一度弁護士へ相談するのが良いでしょう。

当事務所では離婚問題について営業時間内においては初回30分無料相談を実施していますので、まずはどうぞお気軽にお問い合わせください。


遠方に住む相続人がいる場合の遺産分割はどうすれば良い?

2023年02月02日

他の相続人が遠方にいるため協議が進まない場合

遺産分割の話し合いを行うときに、他の相続人が遠方に住んでいるということがあります。

北海道の相続について見れば、北海道は広いため、北海道内であっても各相続人が互いにかなり遠方であるということがしばしば起こります。

そして、複数の相続人が北海道外に住んでいるということも珍しくありません。

また、相続人同士が普段から連絡を取り合う関係性であれば、遠方であっても遺産分割協議を比較的しやすいかもしれませんが、遠方の上、疎遠な関係性であれば、協議が難航する可能性はかなり高くなります。

さらには、そもそも他の相続人と連絡が取れない、行方も分からないというケースもあります。

亡くなった被相続人が遠方で遺産の内容もよく分からない場合

亡くなった被相続人が遠方に住んでおり、遺産の内容すら自分にはよく分からないということもしばしばあります。

その場合、他の相続人と遺産分割の協議をする前に、場合によっては遺産の内容の調査をする必要も生じます。

また、相続の手続きをするには被相続人の戸籍を遡って収集する必要がありますが、戸籍の請求先は本籍地の役所となるため、本籍地が遠方であれば遠方の役所とのやりとりが必要となります。

さらに、相続人の一部が被相続人の近くに住んでおり、自らの寄与度を主張する場合や、生前や生後の被相続人の財産管理状況などに疑義が生じた場合、これらの点も相続争いの火種となるかもしれません。

遺産分割協議を放置すれば事態はより複雑になってしまう

以上のように、遠方であることが一つの要因となって遺産分割協議が難航するケースがあります。

しかしながら、遺産分割協議が放置されれば、相続人の一部が死亡して更なる相続が発生したり、相続人の一部が認知症になって協議ができなくなったりするなど、事態がより複雑になる恐れがあります。

したがって、遠方であっても遺産分割協議を放置するのではなく、解決に向けた手続きを進めるのが望ましいでしょう。

とはいえ、当事者間ではとても解決できないというケースも考えられます。

そのようなケースでは、専門家へ依頼することを検討するべきでしょう。

例えば、司法書士へ遺産分割協議書の書類作成を依頼するという方もいらっしゃいますが、書類作成だけでなく、代理人として全ての手続きを任せることができるのは弁護士だけです。

したがって、書類作成だけでなく、他の相続人との交渉窓口なども含め、全面的に専門家へ任せたいということであれば、依頼先は弁護士になります。

また、裁判所での調停や審判などの手続きをする場合も、代理人を任せられるのは弁護士だけであるため、やはり依頼者先は弁護士になります。

当事務所では相続に関する初回無料相談(営業時間外での相談など、無料対象外のケースもあります。)を実施していますので、まずは当事務所までお気軽にお問い合わせください。


任意整理のリスクとは?債務整理と任意整理の違いとは?

2022年06月17日

「任意整理しなければよかった」と後悔する前に

任意整理とは、弁護士が債権者(貸金業者やクレジットカード会社など)と交渉し、将来の利息などをカットしてもらった上で分割払いすることを合意する手続きをいいます。

利息が新たに発生しなくなるため、借金完済に向けての目処が立つというメリットがあります。

また、最長5年間などの長期分割払いをすることが可能になることもあります。

他方で、任意整理にはデメリットやリスクもあります。

まず、元金を減額してもらうことは通常できません。

したがって、借金の残債(元金)が大きすぎる場合、将来の利息が発生しないとしても返済は困難ということになります。

そのような場合に無理に任意整理をすれば、債権者との合意ができたとしても、その後の月々の返済はたちまち苦しくなり、滞納し、債権者から遅延損害金を上乗せして一括返済を求められるなどという事態になりかねません。

次に、利息カットや長期分割払いが必ずしも成立するとは限らない点に注意する必要があります。

その名の通り「任意」整理であるため、裁判所の決定のような強制力は無く、弁護士が介入した場合であっても、必ずしも債権者がこちらの要望に応じてくれるとは限りません。

したがって、これらのデメリットやリスクをよく踏まえた上で任意整理を選択しなければなりません。

「任意整理をしなければよかった」などと後悔してしまう前に、慎重に検討しましょう。

債務整理には他にも方法がある。自己破産、個人再生とは?

任意整理は、債務整理の方法の一つに過ぎません。

債務整理の方法には、自己破産、個人再生というものもあります。

自己破産とは、裁判所に申し立てて、借金の返済義務を全て免除してもらう手続きです。

個人再生とは、裁判所に申し立てて、借金を大幅に減額してもらい、分割返済をしていく手続きです。

したがって、どちらも裁判所に申し立てなければならない点で任意整理と異なりますが、借金を全額免除してもらったり、大幅に減額してもらったりできるという点で大きなメリットがあります。

裁判所へ申し立てる手続きであるため、資料収集や弁護士とのやりとりなどの申立て準備は必要となりますが、借金の免除や大幅減額という大きなメリットがあるのです。

したがって、債務整理を考える際には、任意整理だけでなく、必ず自己破産と個人再生についても検討することが大事になります。

それぞれのメリット、デメリットを踏まえた上で、適切な債務整理の方法を考えましょう。

弁護士へしっかりと相談してから方針を決めることが重要

債務整理の方針を考えるにあたって、専門家である弁護士への相談は必須になります。

最近散見されるのが、法律事務所へ問い合わせたものの、弁護士とはほとんど話すことなく、勧められた任意整理を依頼したというケースです。

弁護士へしっかりと相談した上で債務整理の方針を決めることが重要ですので、弁護士とほとんど話すこともなく任意整理を決めるというのは非常に危険です。

実際、ある事務所へ任意整理を依頼したものの、そもそも借金の残債が大き過ぎて、とても任意整理で返済できるとは思えないケースが多く見受けられます。

任意整理では元金を減額することはできないため、借金が大きすぎる場合、特殊な事情が無い限り、任意整理を選択するのは適切ではありません。

当事務所では、債務整理の経験豊富な弁護士がしっかりと相談に乗った上で、適切と考える方針を提案させて頂きます。

営業時間内であれば債務整理に関する初回無料相談も実施していますので、借金のことで悩んでいらっしゃる方は、当事務所への法律相談の予約をぜひご検討ください。


交通事故の被害で治療中。その後の流れはどうなる?

2022年05月02日

加害者側の保険会社による治療費対応は途中で打ち切りが打診される?

交通事故の被害に遭い、入院や通院をしている時、加害者側の任意保険会社が治療費の支払い対応をしていることが多いと思われます。

もっとも、このような支払い対応はいつまでも続くわけではありません。

十分な治療を終えたタイミングや、これ以上治療をしても症状が変わらないというタイミング(これを「症状固定」といいます。)で、保険会社から治療費の支払い打ち切りの打診がなされることがあります。

この場合、納得して治療を終えられれば問題ありませんが、必要十分な治療を終えていないにもかかわらず、保険会社に治療費の対応をしてもらえないと困った事態になります。

 

後遺症の判断や慰謝料の支払いは?

治療との関係で、後遺症の判断や慰謝料支払いのタイミングはどうなるのでしょうか。

後遺症は、「治療を続けても治らない症状」のことを言いますので、後遺症が残っているかどうかの判断は、症状固定後のタイミングになります。

慰謝料についても、治療期間や頻度を踏まえた上で算定されるため、やはり治療期間中ではなく、症状固定後に慰謝料に関する示談交渉が行われることになります。

そして、後遺障害診断についても示談交渉についても、加害者側の保険会社から案内があったり、金額の提示書面が送られてきたりしますが、必ずしも妥当な内容とは限りませんので注意が必要です。

弁護士への相談はするべき?まずは弁護士費用特約を要チェック!

上記のとおり、納得のいかないタイミングで保険会社に治療対応を打ち切られることがあります。

また、保険会社から慰謝料などの金額提示がなされたものの、妥当な内容かどうか分からないことが多いと思われます。

さらに、後遺症の有無や内容の審査について、必ずしも保険会社に任せきりにしない方が良いと考えられるケースもあります。

そして、これらの結論が若干変わるだけでも損害賠償金が数十万円、場合によっては数百万円変わることがあります。

したがって、適切な損害賠償をしてもらうためにはしっかりと対応する必要がありますが、自分で対応するのは難しいと思われます。

自分に代わって相手保険会社に対する窓口となり、交渉や訴訟の対応をしてくれる専門家が弁護士になります。

自分の代理人として全面的に対応を任せることができるのは弁護士だけになります。

もっとも、その場合、弁護士へ法律相談をしたり、依頼をするための費用が問題になります。

そこで注目したいのが、自分に適用される弁護士費用特約が無いかどうかです。

弁護士費用特約とは、弁護士への相談費用や依頼費用を保険会社が支払ってくれる保険であり、自動車保険などに特約として付帯されていることがあります。

そして、弁護士費用特約のある自動車保険を自分が契約していなくとも、配偶者や同居の親族が加入する自動車保険の弁護士費用特約を使えることがあります。

さらには、未婚の方であれば別居する親の弁護士費用特約を使うことができたり、自分の自動車でなくとも、搭乗していた自動車に付いていた弁護士費用特約を使うこともできたりしますので、人身事故に遭った時には使える弁護士費用特約が無いかどうかを必ずチェックしましょう。

また、仮に弁護士費用特約を使えない場合であっても、上記のとおり、弁護士の介入の有無で損害賠償金が大きく変わることが多いため、人身事故の被害に遭った場合にはまずは弁護士へ相談だけでもした方が良いでしょう。

当事務所では、人身事故の被害に遭い、加害者側の任意保険会社が対応中の場合、初回無料相談(弁護士費用特約を使えない場合)を実施していますので、まずは法律相談の予約をご検討ください。

また、交通事故について10年以上の豊富な対応経験を有する弁護士が相談に応じますので、安心してご相談ください。

さらに、zoomミーティングを用いたビデオ電話での法律相談にも対応できますので、札幌市から遠方の方であってもご遠慮なく当事務所までお問い合わせください。


離婚に伴って慰謝料は必ず発生する?不倫慰謝料の相場は?

2022年01月24日

慰謝料は離婚に伴って当然に発生するものではない

離婚の相談の際、「相手に慰謝料を請求したい。」という要望を伺うことがあります。

芸能人の離婚報道などで高額な慰謝料の支払いを聞くことがあるため、離婚に伴って慰謝料の清算が必要と考える方が多いのかもしれません。

もっとも、慰謝料は離婚に伴って必ず発生するというものではありません。

確かに、主に一方の配偶者にのみ離婚の原因がある場合には、離婚を余儀なくされたことを理由に慰謝料が発生する可能性があります。

しかしながら、離婚の原因が配偶者の一方だけでなく双方にあるというケースも多いため、慰謝料が特段生じないということも多くあります。

 

離婚に伴って慰謝料が生じるケースにはどのようなものがある?

それでは、離婚に伴って慰謝料が生じることの多いケースにはどのようなものがあるでしょうか。

典型的なケースとしては、不倫や肉体的な暴力が挙げられます。

不倫については、不倫をした配偶者だけでなく、不倫相手に対して慰謝料を請求することも考えられるため、この点も踏まえて方針を検討する必要があります。

モラハラについての相談を受けることもありますが、一言にモラハラと言っても、その内容や程度、経緯はケースバイケースであるため、これらの事実関係をよく検討する必要があります。

 

不倫などの慰謝料はいくら?どのようにして算定される?

慰謝料は、精神的苦痛を被った人を慰謝するためのお金です。

それでは、慰謝料の金額についてはどのようにして算定されるでしょうか。

例えば、不倫についてはおおよそ200万円程度が基準になることが多いように思われますが、当然のことながら、事案によって金額は様々であり、それぞれのケースに応じて判断されることになります。

婚姻期間や不倫の態様・期間、不倫後の婚姻関係など、複数の事情を総合的に考慮した上で、具体的な慰謝料の金額を算定することになります。

慰謝料問題については金額のみならず、請求方法や手続、証拠関係などについても検討する必要があるため、まずは弁護士へ相談されることをお勧めいたします。

 


何年も昔の借金は業者へ連絡する前に消滅時効を要確認!

2021年09月09日

借金の時効は5年が基本

カードローンやクレジットカードの支払いを滞納してしまい、そのまま何年も放置状態になっているということは無いでしょうか。

貸金業者からも連絡が来なくなったと思っていたところ、何年も経った後に債権回収業者などから手紙が届くということがあります。

このような場合、何年も滞納していたことに対する多額の遅延損害金が加算されて請求されていることが多いため、膨れ上がった金額に驚くでしょう。

何年も昔の借金について、絶対に支払わなければならないのでしょうか?

いいえ、時効による消滅を主張できる可能性があるのです。

特に、最後に返済をした時から5年を経過している場合、時効を主張できる可能性が高いといえますので、注意する必要があります。

もっとも、例えば、改正民法が施行された2020年4月よりも前に、業者からではなく個人から借り入れていた借金の場合には、5年ではなく10年の消滅時効期間が適用される可能性があるなど、別の判断基準が適用される場合もあります。

したがって、最終返済日から5年を経過しているかどうかだけで全て判別できるわけではありませんが、これが消滅時効に関する一つの指標にはなります。

 

5年経っているのに時効を争われる?「時効の更新」とは

借金が時効で消滅している可能性が高い場合、注意しなければならないことがあります。

それは、督促の手紙を送ってきた債権回収業者などへ安易に連絡をしたり、返済をしたりしないことです。

なぜならば、これらの行為が時効の更新にあたるとして、債権者側から消滅時効の成立を争われる事態になりかねないからです。

「時効の更新」とは、平たく言えば、時効期間がリセットされてしまうことです。

つまり、「時効の更新」に該当すると、すでに何年も経過していた時効期間が0にリセットされてしまうのです。

したがって、安易に業者へ連絡をしたり、返済をしたりする前に、まずは債務整理に詳しい弁護士へ相談することを強くお勧めします。

業者側に対して時効を主張することを「時効の援用」と言いますが、自分自身で対応することには大きな不安を感じる方が多いと思われますので、そのような場合にはまずは弁護士へご相談ください。

 

要注意!消滅時効の援用は債務整理の方法の一つに過ぎない

これまで時効に関する話をしてきましたが、時効のことだけを考えれば良いというわけでは全くありません。

例えば、1社のカードローンについては時効による消滅を主張できるものの、他にも多額の借り入れがある場合、当然のことながら、他の借り入れのことも含めた全体としての債務整理を考えなければなりません。

また、時効だろうと考えていたところ、実は時効が完成していないことが判明した場合、他の方法による債務整理を考えなければなりません。

例えば、滞納していた借金について実は業者から訴訟を起こされていて、その判決が確定している場合、前述の「時効の更新」に該当し、時効が完成していないということがあります。

以上のとおり、ただ単に時効のことだけを考えれば良いのではなく、いくつかの債務整理の方法を念頭に置いた上で、最善の選択を検討しなければなりません。

当事務所では、消滅時効の援用手続きを対応させて頂けるのはもちろんのこと、任意整理・自己破産・個人再生という全ての債務整理の方法を踏まえた上で、弁護士が相談に乗らせて頂きます。

まずはお気軽に当事務所までお問い合わせの上、ご相談ください。

 


法的問題に中小企業はどのように対応する?顧問弁護士とは?

2021年04月15日

ほとんどの中小企業では法務部が存在しない

大企業では、法的問題に関する対応は法務部や顧問弁護士が行うということが一般的であると思われます。

しかし、日本の中小企業では、法務部という部署がそもそも存在しない場合がほとんどです。

中小企業においては、総務部や役員、あるいは社長自身が法的問題に対応するということが多いのではないでしょうか。

企業の経営を全体的に管理する者が、法的問題への対応についても兼任するということが多く、専門的な部署が設置されていることは少ないといえます。

このように、中小企業で法的問題への対応がいわば「後回し」になっているのは、以下のような理由からではないでしょうか。

①売上アップなど、会社にとって法務よりも重要なことが多くある。

②そもそも法的問題が起きることがあまり無い。

③法的問題が生じることもあるが、専門部署を作るほど多くはない。

 

会社の顧問弁護士とは?どのようなメリットがある?

このように、中小企業においては法務があまり重視されていない現状があります。

しかしながら、法的問題の対応を後回しにすることにより、法的リスクが顕在化し、会社が大きな不利益を被る恐れがあります。

また、問題が顕在化していなくとも、契約書や利用規約の作成、従業員の労務管理など、法律を踏まえて対応しなければならない業務は数多くあります。

そこで、中小企業がこれらの対応を専門家に任せるために、弁護士と顧問契約を締結することが考えられます。

弁護士との顧問契約とは、一定の顧問料を弁護士に定期的に支払うことにより、弁護士に会社の顧問となってもらうことをいいます。

法律の専門家である顧問弁護士に法的問題の対応を任せることにより、会社は安心して事業に集中することができます。

また、会社の顧問弁護士の存在を対外的に示すことにより、取引先などからの信頼を得られる他、会社に対して不当な行為を企むような相手方に対しては一種の牽制効果も期待できます。

そして、法務部などの専門部署を新たに作ることに比べれば、コストは格段に小さくなります。

 

各企業の需要に応じた顧問料プランをご用意しています

法務部の立ち上げに比べればコストは小さいと述べましたが、顧問契約に伴って生じる顧問料も法律事務所や弁護士により様々です。

例えば、毎月10万円を超える顧問料を支払っているものの、法律相談や法的問題はほとんど生じていないということであれば、顧問弁護士の必要性に疑問を感じてしまうかもしれません。

そこで、札幌とくみつ法律事務所では、各企業のご希望に応じた柔軟な顧問料プランをご用意しています。

「弁護士に会社の顧問となってもらいたいが、法的対応を依頼することはほとんど無いと思う。」ということであれば、月額1万1000円(税込)の顧問料プランをお勧めしております。

他方で、「法律相談や契約作成など、法律問題に関連する業務が数多くある。」ということであれば、月額5万5000円(税込)の顧問料プランをお勧めします。月額の顧問料は高くなりますが、顧問弁護士に法的対応を依頼する際には、無料で対応できる範囲が広くなり、別途費用が生じる場合も割引率が大きくなります。

このように、当事務所では、各企業様のご希望に応じて顧問契約のプランを提案させて頂いております。

顧問契約に関するご相談は相談料無料で対応しておりますので、まずはお気軽に当事務所の弁護士へご相談ください。


1 / 712345...最後 »